外交の道

 

　戦争のない世界にするためには外交は必須です。嘗て日本は鎖国をしておりました。鎖国とは、江戸幕府が外国との貿易や交通を厳しく制限した政策で、1639年から1853年のペリー来航までの約200年間続きました。この政策は、キリスト教の禁止や封建制度の維持を主な目的とし、オランダ、中国、朝鮮など限られた国とのみ、長崎などを窓口として交流が行われました。

【鎖国政策の背景と目的】

①.      キリスト教の禁止

ポルトガルやスペインからのキリスト教の布教が、幕府の身分制度を脅かすと判断されたためです。

②.      幕府の権力強化

海外貿易で力をつける有力大名や浪人を抑え、幕府の権力と封建制度を維持することが目的でした。

③.      国内の安定

外国との関係を制限し、国内の平和と安定を保つことが目指されました。

【鎖国が日本にもたらした影響】

①.      国内文化の発展

海外からの情報や文化の流入が制限されたことで、日本独自の文化が発展しました。歌舞伎や浮世絵などが庶民に人気を博し、「国学」のような独自の学問も生まれました。

②.      科学技術の停滞

海外からの新しい技術が入ってこないため、科学技術の発展は遅れました。

③.      経済への影響

金銀などの正貨の流出を抑え、生糸などの国産化を促しました。開国後には、これらの産業が重要な輸出品となります。

【鎖国は「完全な孤立」ではなかった】

①.      鎖国は、あくまで対外政策を管理するもので、日本が完全に国際社会から孤立していたわけではありません。

②.      長崎の出島や、朝鮮、琉球王国、アイヌとの交流は続けられました。

③.      「鎖国」という言葉は江戸時代後期に作られた造語であり、当時の人々が自らを「鎖国」していたと認識していたわけではありません。

　今、世界で望まれているのは「平和外交」です。「平和外交」とは、軍事力ではなく、対話や国際協力といった非軍事的な手段を通じて、紛争の予防や平和的な解決、国際社会の安定と繁栄を目指す外交努力です。

【主な目的と重要性】

平和外交の根幹にあるのは、自国および国際社会全体の平和と安全を確保し、国民の生命と財産を守るという目的です。特に資源を他国に依存し、島国である日本にとって、世界の平和と安定は経済的繁栄の不可欠な要素となっています。

【具体的な取り組み（日本の例）】

日本は戦後、深い反省に基づき「平和国家」としての道を歩み、平和外交を主要な外交課題の一つとしてきました。具体的な取り組みには以下のようなものがあります。

①.      紛争の平和的解決

国連憲章と国際法に基づき、あらゆる紛争を戦争にさせず、話し合いで解決するよう努める。

②.      国際平和協力活動（PKO）への貢献

国連平和維持活動などに積極的に参加し、停戦監視、選挙支援、復興支援などの人的・財政的貢献を行う。

③.      政府開発援助（ODA）の活用

開発途上国の貧困撲滅や開発を支援し、現場における脅威の除去・軽減を図る。

④.      地球規模課題への対応

気候変動、環境問題、難民問題、テロ対策など、世界全体に関わる課題に対し、国際的なルールづくりを主導し、解決に貢献する。

⑤.      二国間・多国間対話

各国との間で様々なレベルの意見交換を積み重ね、信頼関係を構築・維持・発展させる。

【最近の動向】

近年、国際社会の安全保障環境は厳しさを増しており、日本の平和外交においても、十分な体制をもって力強い外交を推進し、法の支配を重視することの重要性が再認識されています。また、「対話と協力」による人権外交の推進や、国際協調主義の深化などが強調されています。

　本日はさいたま市ジュニア研修大会に参加致します。さいたま市の皆様方にはお世話になりますが、宜しくお願い致します。

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